青い池は砂防施設

青い池の青さの秘密は、先日の美瑛川のお話しで触れましたので、今回は別の視点から。
北海道観光の代表になっているけど、青い池とはそもそも何者?。と思う方へ。
結論から言いますと、火山砂防事業によって産まれた人工池です。
初めてこの事実を知ると残念に思われる方も多い方思います。
学生の時に初めて訪れた私も同様の感想でした。

たまたま流入している水が青かったことと、そこにあったカラマツが枯れたことで、偶然いい感じになっただけ。
そう言ってしまえば簡単ですが、ここに至るまでには長い歴史があります。
丘のイメージが強い美瑛ですが、十勝岳という活火山を要している火山とともに生きるまちでもあります。
十勝岳は過去100年で3回噴火しており、いつ噴火してもおかしくないと言われています。
約100年前の噴火では、火砕流(火山灰や岩塊、火山ガス等が一体となって急速に流下する現象)が発生し、144名の方が亡くなりました。そうした経験があったため、1988-1989年に起こった最新の噴火が起こった際、改めて対策の必要性が認識され、火山砂防事業を行うこととなりました。
こういった土木事業は、完成までに時間がかかることから、まずは、すぐにでも対策ができるブロック積みのダム(ブロック堰堤)を作られました。
これが青い池の始まりです。

その後、美瑛川では、様々な砂防堰堤が構築され、このブロック堰堤自体の役割は終わろうとしていました。
しかし、既に地元やカメラマンの間では、きれいな景色知られていた”青い池”を解体することはせず、観光で活用していくことになったようです。

青い池が、自然と人の営みで産まれたことを意識してみるとまた違った目線で見れるかもしれませんね。